この記事を書いた人:たーなー先生(田中直人)。ATO作詞作曲スクール 作詞コース講師・ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導。テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』エンディングテーマの作詞作曲(2021年・2025年)。作曲コースの講師は大場康司先生です。
サビは、長く書こうとせず「言い切る一言」を1つ決めるところから始めます。
- サビで言いたい一言を10文字ほどで決める
- その一言を、メロディのいちばん高い音か、長く伸ばす音に置く
- 同じ一言を2回くり返し、3回目だけ少し変える
この3つで、サビの骨組みはできます。
サビが書けないのは、言葉を足しすぎているから
サビを書こうとして手が止まる方の多くは、「感動する言葉」「たくさんの気持ち」を1つのサビに全部入れようとしています。サビは、曲の中でいちばん多く歌われ、いちばん覚えられる部分です。だから、言葉は少ないほうが強く残ります。サビは、言葉を絞るほど歌いやすくなります。まだ1行目が出ていない方は、先に歌詞が書けない人の最初の1行の決め方をどうぞ。
ステップ1:言い切る一言を決める(5分)
条件は3つだけです。
- 10文字ほどで言える(長くても14文字まで)
- 「何を」ではなく「どうなのか」まで言い切っている
- 1番の最初の場面とつながっている
例:場面が「雨の日の帰り道、コンビニの前で傘を閉じた」なら、サビの一言は「濡れたままで歩ける」。大きな言葉(愛・夢・未来)を使わなくても、場面から出た一言は、聞く人の頭に絵を残します。(例の歌詞は、この記事のために作ったオリジナルです)
ステップ2:一言を「高い音」か「長く伸ばす音」に置く(5分)
作曲の前でも、歌う人のことを考えて置き場所を決められます。
- サビのメロディがもうある場合:いちばん高い音、または長く伸ばす音のところに、一言の中心の言葉を置く
- メロディがまだない場合:一言を声に出して読み、自然に強く・長く読みたくなる言葉を探す(その言葉が置き場所の候補)
ステップ3:同じ一言を2回くり返し、3回目だけ少し変える(5分)
例(オリジナル):
濡れたままで歩ける
濡れたままで歩ける
それでも少し、笑えてる
最初の2回で言葉を覚えてもらい、3回目で少しだけ変えると、「サビを聞いた」という手応えが残ります。変える所は1か所だけ。言葉を増やさないのがコツです。
書けたら、声に出して歌って確かめる(3分)
- 息継ぎができる長さか(1行を一息で歌えるか)
- 高い音の所で、口が開く言葉になっているか
- くり返しが、くどく感じないか(くどければ2回目の言葉を少しだけ変える)
曲全体の構成(Aメロ・Bメロ・サビの違い)は、Dメロとは?曲の構成を図解でまとめています。
やりがちな失敗3つ
- サビに説明を入れすぎて、一言が埋もれる
- サビだけ別の場面の話になり、1番とつながらない
- 言葉の数が多く、メロディに乗らない
サビができたら:Bメロとの落差を整える3つの確かめ
サビの一言が決まったら、次は「前後とのつながり」です。サビだけを単独で読むと良く見えても、Bメロから続けて歌うと、サビが目立たなくなることがあります。聞こえ方は「言葉そのもの」だけでなく、「前の部分とどう違うか」で決まります。
確かめ1:言葉の数の落差
Bメロの1行より、サビの1行を短くします。Bメロで言葉をたくさん並べておくと、サビの短い一言が、そのぶん強く残ります。やり方:Bメロの1行とサビの1行を、それぞれ声に出して読み、サビのほうが短く、ゆっくり読めるかを確かめます。
確かめ2:サビの直前の「間」
サビの直前に、言葉を置かない一拍をつくります。何も言わない時間があると、その次の言葉が前に出ます。歌詞を書く段階では、Bメロの最後の行を短めにして、読点や空きを入れておくだけで十分です(メロディをつける人は、そこに休符を置くことができます)。
確かめ3:サビの最後の行の終わり方
- 言い切る:気持ちを断定して終える(1番のサビに向く)
- 問いかける:答えを聞く人に残す(2番へつなぐ)
- 少し変える:一言をくり返したあと、最後だけ言葉を1か所変える(上のステップ3と同じ考え方)
オリジナルの例(この記事のために作った歌詞):Bメロ「コンビニの前で 傘をたたんで 空を見ていた」→(一拍あける)→サビ「濡れたままで歩ける/濡れたままで歩ける」。Bメロの1行は長めに、サビの1行は短く。この形だけでも、サビが前に出ます。
1人で進めにくいときは
サビの一言が決まらないときや、書いたサビが歌いやすいか分からないときは、1人だと迷いやすい部分です。作詞作曲スクールの無料体験では、たーなー先生に、お持ちのサビ(または場面のメモ)を見てもらえます。何も書けていなくても大丈夫です。
メロディーが先にできている方は、鼻歌から曲にする方法もあわせてどうぞ。
サビの材料になる言葉を貯める方法は「歌詞のネタ帳の作り方」に、言葉の音をそろえたいときは「作詞の韻の踏み方」に、書き終えたあとの見直しは「自分で直せる3つのチェック」にまとめています。
よくある質問
Q1. サビから先に書いてもいいですか?
はい。サビの一言が先に決まる曲もあります。その場合も、1番の場面とつながっているかを後から確かめてください。
Q2. サビは何行くらいが書きやすいですか?
決まった行数はありません。まず「言い切る一言」を1つ決め、それを2回くり返す形から始めると書きやすくなります。
Q3. メロディがなくてもサビは書けますか?
書けます。一言を声に出して読み、強く・長く読みたくなる言葉を探しておくと、あとでメロディをつけるときに置き場所が決めやすくなります。
Q4. 作曲もできない初心者でも習えますか?
作詞コースがあります。無料体験で、作詞だけのご相談もできます。
Q5. 講師は誰ですか?
作詞はたーなー先生、作曲は大場康司先生です。
Q6. サビは、Bメロより言葉を少なくしたほうがいいですか?
決まりはありませんが、サビを少なくすると、サビが際立ちやすくなります。声に出して、サビのほうが短くゆっくり読めるかを確かめてみてください。
Q7. サビの前の「間」は、歌詞でどう書きますか?
Bメロの最後の行を短くして、読点や空きを入れておくだけで十分です。メロディをつけるときに、そこに休符を置くことができます。
Q8. 2番のサビは、1番と同じでもいいですか?
同じにしても構いません。最後の行の終わり方を変えると、2番らしさが出ます。1番の最後の行が「言い切る形」なら、2番は「問いかける形」にする、という選び方もあります。
サビの一言が決まらなくても、体験で一緒に探せます。

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