この記事を書いた人:たーなー先生(田中直人)。ATO作詞作曲スクール 作詞コース講師・ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導。テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』エンディングテーマの作詞作曲(2021年・2025年)。作曲コースの講師は大場康司先生です。
作詞の添削を受ける前に、自分で見直せる点が3つあります。
- 長さ:1行の長さがそろっているか、歌って息が続くか
- くり返し:同じ言葉が、意味を持ってくり返されているか
- 主語:「私」「あなた」「ぼく」など、誰が言っているかが最後まで変わっていないか
この3つを声に出して読みながら確かめるだけで、歌詞の分かりにくさの多くに気づけます。
結論|歌詞は「読んで」直さず、「声に出して」直します
作詞の講師たーなー先生は、ボイストレーナー歴30年、延べ5万人以上を指導してきました。テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』のエンディングテーマでは、作詞作曲を担当しています(2021年・2025年)。歌詞を書いた方が最初にやるとよい見直しは、黙って読むことではなく、メロディに合わせて声に出して歌うことです。
なぜ自分では気づけないのか
- 書いた本人は、頭の中で足りない説明を補って読んでしまう
- 読んで分かる文と、歌って伝わる文は違う
- 言いたいことが多いほど、行が長くなりやすい
チェック1|長さ:歌って息が続くか
- 1行を、メロディに合わせて歌う(メロディがなければ、一定のリズムで声に出す)
- 息つぎが苦しい行に印をつける
- 印のついた行は、言葉を一つ減らすか、2行に分ける
- Aメロとサビで、1行の長さの目安をそろえる(サビは短めのほうが覚えやすい)
チェック2|くり返し:意味のあるくり返しか
- 同じ言葉が3回以上出るときは、「強調したいから」と言えるか自分に聞く
- 意味がなく重なっているだけなら、別の言葉に置きかえるか、1回に減らす
- サビの頭の言葉は、くり返しても伝わりやすい(曲全体の一番言いたいことに使う。くわしくは歌詞のサビの書き方)
- 似た意味の言葉(悲しい・切ない・さみしい)が並ぶときは、一つ選ぶ
チェック3|主語:誰が言っているか
- 「私」「ぼく」「あなた」が、途中で入れ替わっていないか確認する
- 主語を省いた行が続くと、誰の気持ちか分かりにくくなる。2行に1回は「誰が」が分かるようにする
- 「あなた」が誰のことか(恋人・友人・過去の自分)が、歌詞の中で分かるか
- 意図して視点を変える場合は、変わる場所を一つに絞る
歌詞を書いたら、声に出して3回読む|息つぎ・ことばの伸び・耳で聞いた意味
3つのチェックのあとは、書いた歌詞を声に出して3回読みます。
- 1回目:息つぎの場所
- 2回目:ことばの伸び(長く伸ばす音)
- 3回目:耳で聞いた意味
目で読んで気づけない不自然さは、声に出すと見つかりやすくなります。メロディがまだ無くても、できます。
読み方1:息つぎの場所を確かめる
普段の話す速さで一行ずつ読み、息を吸いたくなった場所に鉛筆でしるしを付けます。一行の途中でしるしが3つ以上付く行は、言葉が詰まりすぎています。しるしが無い行が4行以上続く場合は、息つぎの場所を作る必要があります。
読み方2:ことばの伸びを確かめる
行の終わりの音と、サビで長く伸ばしたい音を、ゆっくり読んで確かめます。「あ」「お」のように口を開けやすい母音は伸ばしやすく、「い」「う」は細くなりやすい、という傾向があります。伸ばしたい言葉が閉じた母音で終わる場合は、言葉を入れかえる候補にします。
読み方3:耳で聞いた意味を確かめる
スマホで自分の読みを録音し、1日おいて聞き返します。耳で聞くと意味が取れない言葉(同じ読みの別の言葉に聞こえるもの)が見つかります。見つかったら、その言葉を別の言い方に替えます。
| 読み方 | 確かめること | 見つかったとき |
|---|---|---|
| 1 息つぎ | 吸いたくなった場所 | 一行を短くする/息つぎの言葉を入れる |
| 2 ことばの伸び | 伸ばす音の母音 | 口を開けやすい言葉に替える |
| 3 耳で聞いた意味 | 意味が取れない言葉 | 別の言い方に替える |
それでも迷うときは
- 書いたあと、一晩おいてから読む(印象が変わります)
- 自分以外の人に、歌詞を見せずに聴いてもらい、「どんな場面に聞こえたか」を聞く
- 韻をそろえたあとの見直しは作詞の韻の踏み方、言葉が足りないときは歌詞のネタ帳の作り方へ
作詞作曲スクールについて
作詞コースの講師はたーなー先生です。無料体験は1回・お一人1回で、月謝は25分×4コマで毎月22,000円(税込)です。コースの内容は作詞コースのページへ。
見直しのあとは、「歌のタイトルの付け方」や「歌詞の表記(ひらがな・漢字・カタカナ・英語)」も確かめてみてください。書く時間がない方の進め方は「1日10分×14日で1曲を整える進め方」にあります。
よくある質問
Q1. 作詞の添削を受ける前に、何を見直せばよいですか?
長さ(歌って息が続くか)、くり返し(意味のあるくり返しか)、主語(誰が言っているか)の3つです。声に出して歌いながら確かめてください。
Q2. 歌詞は黙読して直してはいけませんか?
黙読も有効ですが、歌詞は歌って伝わるものなので、声に出して確かめると息つぎの苦しさや言いにくさに気づけます。
Q3. 同じ言葉をくり返すのは、悪いことですか?
悪いことではありません。強調したい意味があるくり返しは効果的です。意味なく重なっているだけの場合に、見直してください。
Q4. 主語が途中で変わるのは、まちがいですか?
まちがいではありません。意図して視点を変える歌詞もあります。変わる場所が分かる形にしておくと、聴く人に伝わります。
Q5. 作詞作曲スクールの講師は誰ですか?
作詞コースの講師は、たーなー先生です。
Q6. メロディがなくても、歌詞を声に出して見直せますか?
はい、できます。話す速さで読むだけで、息つぎの場所と、伸ばしにくい言葉が分かります。
Q7. 何回くらい読めばよいですか?
まず3回です。1回目は息つぎ、2回目はことばの伸び、3回目は耳で聞いた意味を確かめます。
Q8. 録音は聞き返したほうがよいですか?
はい。自分の声に出して聞くと、目で読むだけでは気づけない意味の取りにくさが見つかります。書いたその日より、1日おいて聞くほうが、客観的に聞けます。

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