こんにちは、田中直人です。
2020年テレビ東京『THEカラオケ★バトル』優勝者をはじめ、25年間で1万人以上をレッスンさせて頂いております。
たくさんの作詞家、作曲家を育成プロデュースした私が、初心者向けに作詞の仕方をサクッとご紹介します。
【初心者向け】作詞の仕方+必要なこと
「自分で作詞できたら素敵だなぁ…」
「作詞って難しいのかな?」
「初心者でも作詞ってできるのかな」
初めて作詞をする人が、迷わずに作詞できるように、手順を解説します。
これから作詞を始めたいと思っている人は、ぜひ参考にしてみてください。
- どんなテーマにするかを決める
- 歌詞に5W1Hを設定する
- どんな人に聞いてほしいかを決める
- どんなジャンルの歌詞にするか決める
- テーマに合った言葉を創造する
- 歌詞の中の主人公を決める
①どんなテーマにするかを決める
作詞をするとき一番最初にすることは、「リスナーに何を届けたいか」を決める
ことです。
ただやみくもに書いてもリスナーの心には、届きません。
どんなことを届けたいか?を決めて、楽曲に命を吹き込むように書いていきましょう。
最初にテーマを決めれば、歌詞に使う言葉も選びやすくなります。
②歌詞に5W1Hを設定する
- when 時(いつ)
- where 場(どこで)
- who 関係する人(だれ)
- what 事・物(なにが)
- why 理由(なぜ)
- How 手段(どんな方法で)
歌詞の具体的なシチュエーションを考えてみましょう。
いつ、どんな場所で、だれがどんな事をするのか?というストーリーを組み立てていきます。
例えば、恋愛の歌詞を書く場合、主人公が女性で学生だとします。
こんな感じになります。
リスナーが、歌詞の中の情景やシチュエーションを想像できるストーリーを組み立てると良いですね。
③どんな人に聞いてほしいかを決める
具体的に、どんな人に聴いてほしいかを考えてみましょう。
男性なのか、女性なのか、若い世代なのか、年配の世代なのか、子どもなのか?
リスナーの対象になる人を思い浮かべてください。
広く浅く大勢の人に聴いてもらおうと思って書くより、特定の年代や性別の人に届けるように書くと、より共感される歌詞を書くことができます。
④どんなジャンルの歌詞にするか決める
ジャンルには、恋愛の歌詞・友情の歌詞・家族を思った歌詞・応援の歌詞などがありますが、楽曲のイメージに合いそうなジャンルを選びましょう。
楽曲と全く違うジャンルをあえて選ぶ手法もありますが、ある程度作詞に慣れてから挑戦した方が良いです。
⑤テーマに合った言葉を創造する
テーマ・聴いてほしい人・ジャンルが決まったら、テーマに合う言葉を探します。
と言っても、そんなに難しいことはありません。テーマに関連する言葉の中から、思いつく言葉をまずは書き出してみましょう。
テーマに沿った言葉を選ぶことで、ぶれない歌詞を書くことができます。
⑥歌詞の中の主人公を決める
歌詞の中の主人公を決めます。
主人公を決めることで、リスナーは主人公に感情移入しやすくなり、共感してもらいやすくなります。
作詞するときに注意すること
作詞をするときに気を付けるべきことを書きます。
最初のうちは全部できなくてもいいので、頭の片隅に入れておいてみてください。
歌いやすいか?
歌詞を楽曲にのせたとき、歌いやすいでしょうか?
実際に声に出して歌いやすいか確認しながら作詞をするように心がけましょう。
歌いにくいと感じれば、その楽曲はリスナーの心に届きにくくなります。
漢字よりひらがなを使う
漢字を使うと、どうしても堅苦しいイメージの曲が出来上がってしまいます。
できる限りひらがなを使うことを意識してみましょう。
どうしても漢字を使いたい場合には、訓読みできる漢字を使いましょう。
訓読みだと「あたま」と読みますが、音読みだと「とう」になります。意味が通じるように使うなら、「頭部(とうぶ)」と書かなくてはなりませんが、「頭部」だと堅苦しいイメージになってしまいますよね。
「音読み」する漢字ではなく、「訓読み」できる漢字を使ってみてください。
伝えたいことがサビに入っているか
歌詞で一番伝えたいことは、サビの部分に入れるようにしましょう。
サビは曲の中でも、一番盛り上がる部分なので、伝えたいことはサビの部分で伝えるようにしましょう。
言葉の使い方を考える
作詞で大切なことは言葉の使い方です。言葉をどのように使うかで、歌詞のイメージが変わってきます。
倒置法を使う
倒置法とは、本来の言葉の順番を入れ替えることを言います。
(例)タイトルそのものに倒置法が使われています。
「見上げてごらん 夜の星を」
言葉の順番を入れ替えることで、インパクトを与えることができたり、言葉を強めることができます。
比喩を使う
比喩とは、あえて他の言葉で表現することを言います。
(例)
✔スピッツ「ハチミツ」
一人むなしく
ビスケットのしけってる日々を経て
✔aiko「カブトムシ」
甘い匂いに誘われた わたしはかぶとむし
比喩表現を使うことで、歌詞のイメージが湧きやすくなりますね。
繰り返してみる
わざと同じ言葉を繰り返すことで、印象を残す方法です。
「リフレイン」とも言います。
ブルーハーツ「リンダリンダ」
→「リンダリンダ」の繰り返し
アンジュルム「魔法使いサリー」
→「マハリクマハリタ ヤンバラヤンヤンヤン」の繰り返し
同じ言葉を繰り返し聴くと、自然と印象に残りやすくなります。
韻を踏む
韻を踏むとは、同じ言葉や同じ音を繰り返すことをいいます。
韻を踏むことによって、繰り返される音を記憶に焼き付けることができます。
(例)韻を踏んでる歌
・ミスターチルドレン「クロスロード」
ラブで韻を踏んでいます
lookin’ for love 今建ち並ぶ(ならぶ) 街の中で口ずさむ
ライで韻を踏んでいます
「Ticket to ride」あきれるくらい 君へのメロディー
印象に残るだけでなく、リスナーとしても聴きやすくなります。
・サザンオールスターズ「愛の言霊」
音(とは)と(そうわ)で韻を踏んでいます
蒼き星の挿話(そうわ)
夏の旋律(しらべ)とは
韻を踏むと、ただ印象に残るだけでなく、聴きやすくなったりします。
初心者が気を付ける4つこと
初めて歌詞を書くときに気を付けてほしい、4つの注意事項を書きます。
必要以上に長い説明をする
伝えたいことを全部書き出すと歌詞が長くなり過ぎ、リスナーが飽きてしまう可能性があります。
曲で説明できないことを歌詞でカバーするようにイメージして書くと、長くなり過ぎず必要な歌詞だけを書くことができます。
曲だけでも伝わることがたくさんあることを意識すると、良いかもしれません。
何度も同じ言葉を使う
例えば「好き」という言葉で考えた場合、直接的な「好き」という言葉以外にも「温かみ」・「いつくしみ」・「好意」・「愛情」など違った表現をすることができます。
表現方法を変えるだけで、イメージはずいぶん変わります。
言葉があまり出てこない場合には、類義語辞典などで他の表現方法を探してみるのも良いですね。
なお、わざと同じ言葉を繰り返す「リフレイン」を使う場合は別です。
文字の数が音と合っていない
音源を聴きながら、実際に言葉をのせて歌ってみましょう。
音よりも言葉の数が多すぎると、歌いづらくなってしまいます。
実際に自分が歌ってみて、歌いにくくないか確認しましょう。
変に凝りすぎる
最初から凝り過ぎると、考えすぎて歌詞を書けなくなってしまうことがあります。
最初は、深く考えずに思いつく言葉を書いてみましょう。
歌詞を書くことに慣れてくれば、心に残る、深い歌詞を書けるようになります。
さあ、まずは書いてみよう!
まずは、とにかく書いてみることをおすすめします。書いていくうちに、気づきがあったり、改善したいと思う部分が出てくるはずです。
作詞には、正解や不正解などはないので、リスナーの心に残る歌詞を書けるように意識すると良いですね。
「自分で書いてみたけど、ちょっと難しい…」と感じたり、「一人では書けないし、誰かに相談したい…」という人は、作詞の教室に通うのもいいですね。
ATOでは作詞の無料体験レッスンもしているので、是非参加してみてはいかがでしょうか?
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