【作詞に必要な物】はじめての作詞の仕方【作詞初心者用作詞法】

こんにちは、田中直人です。

2020年テレビ東京『THEカラオケ★バトル』優勝者をはじめ、25年間で1万人以上をレッスンさせて頂いております。

今回は特別に、ATO作詞スクール講師の遠藤先生に、【作詞に必要な物】はじめての作詞の仕方【作詞初心者用作詞法】をご紹介していただきます!

「作詞をしたいのですが、とりあえず何が必要ですか?」

体験レッスンに来られた方から、このような質問もよくいただきます。

ギターのレッスンにはギターが必要でしょうし、ピアノレッスンには、当然そのピアノが、ということになるのですが……。
作詞をするには……おそらく、今あなたが日常的に使っている物意外には、基本的には何も必要ありません。
あえて言えば……スマホかPC、どちらかを持っていれば大丈夫。
作詞をはじめるための準備は完璧です。

「原稿用紙は必要ないのですか?」

ハイ、必要ありません。

もちろん紙とペンを使って歌詞を書いてくださってもいいですよ。
ただ、その場合も紙は原稿用紙である必要はありません。
400字詰めの一般的な原稿用紙だと、たいていの場合、一枚の用紙に歌詞は書ききれなくなってしまい、用紙を何枚も使うことになり、結局のところとても読みにくいものになってしまいがちです。
ですからどうしても紙に書きたいのでしたら、A4のコピーペーパーなどが適当かもしれませんね

これなら(字を小さく書けば)ひとつの作品が一枚の用紙におさまりそうです。
一般的に作詞者は、浮かんだ言葉をスマホか自分のPCに打ち込んでいく。
それでOKです。

他には何も使いません。
どこかのオーディションやコンテストに応募するのでしたら、そうして書きあがったものを、そのままファイル、メールしてくれれば、それですべて完了です。
……というわけで、作詞をはじめるための準備はすべて整いました。

さあ、では何か書いてみましょう!
と、まぁ、こう言われても、これがなかなか難しい!
わかってます。

大丈夫、あせらないでください。

ここからは、「何か書いてみましょう」の、誰でも「何かを書ける」簡単な書き方を紹介していきますから。

●はじめての作詞/「きっかけ」さえあれば誰でも出来る作詞

真っ白な画用紙を渡され、さあ、なんでもいいから好きなものを描いてください。
こう言われて、すぐに何かを描きだせる人はおそらく天才です。
たいていの人は、なんでもいいと言われても、さて何を描いていいのやら……と(ほっておけば)30分くらいは悩んでしまうものです。
それよりも、白い画用紙と、赤いクレヨンを渡され、さあ、ここに大きな太陽を描いてみましょう、と言われたら……。
これなら、誰もがすぐに絵を描きだすことができるのではないでしょうか。
つまり絵を描くために必要なのは、絵を描きやすくするための「きっかけ」なのです。
これは作詞においても同じことです。

○「きっかけ」その1

「替え歌作詞は曲先作詞」のはじめの一歩

では、まず最初に、今すぐ思いだせる簡単なメロディー……思いだしたら歌ってみましょう。
こんな感じ……。
♪ 海は広いな 大きいな
……童謡「海」(林 柳波・作詞)ですね。
これに、思いつくまま別の歌詞を付けてみましょう。
つまり替え歌。
あまり悩まないで、思いつくくまま……。
たとえば、こんな感じ……。
♪ ウニは美味いな けど高い
ほら、出来た。
今度はその言葉で「海」のメロディーに合わせて歌ってみましょう。
なかなか良い感じ。
気持ちいいでしょ?
はい、これが曲先作詞の最初の一歩なのです。
曲先作詞とは、先に作曲家が曲を作り、それに作詞家が歌詞を乗せていき、作品を完成させる歌作りの方法。
この簡単な替え歌作りが出来たのなら、次はもう少し長めのメロディーに言葉を乗せてみましょう。
最初は変え歌ふう、もとの歌詞と同じような言葉が出てきても、ぜんぜんかまいませんよ。
とにかくひとつの歌、作品を完成させてしまいましょう。
できましたか?
ハイでは、それもできてしまったら、今度は、何か有名な洋楽でもいいし、Jポップでも演歌・歌謡曲でも、なんでもいいですから、あなたの好きな楽曲に合わせ言葉を乗せていってみましょう。
う~ん、それもできた!
すばらしい。
そして、おめでとうございます。
あなたはもう立派に一曲作詞しているじゃないですか、しかも曲先で!

○「きっかけ」その2

「あいうえお作詞は作詞のボキャブラリーを増やしてくれる」はじめの一歩

つぎに紹介する「作詞のきっかけ」は「あいうえお作詞」。
何も書くことがないし、こまったな~なんて嘆いている時間があるのでしたら、「なにもかくことがない」と書いてみましょう。
ここから作っていけばいいのです。
試しに少しやってみますよ。
「なにもかくことがない」ですから……。
な____泣いてみても
に____逃げてみても
も____もちろん僕は人間のまま
か____隠し通せない
……
く____あっ、「く」が出ない。
「なにもか」までは順調にきたのに……何か良い言葉ないかな?
く、く、く……これがレッスンになるんですね。
思い浮かばないから必死で「く」から始まる言葉を探そうとする。
これによって自分が歌詞として使える言葉が増えていくのです。
く、く、く……そうだ「クロスロード」があった!
といったように。
く____クロスロード
こ____孤独の旅路
おおっ何かシリアスな歌になってきたぞ。
「きっかけ」紹介のための文章ですから、この歌詞(?)に関してはこのへんでやめておきましょう。

これと同じように……もしも、あなたに彼女がいて、その人のためのラブソングを作りたいとします。
まずは「あいしてる」と書いて、そこから言葉を探していくのもいいでしょう。
または、ズバリその彼女の名前をかいて……「〇〇〇〇 ○○子」……そこから歌詞を書いてみるのもロマンチックでしょ。
君の名前で歌を作ったんだよ、なんて言ってみるのもワルクナイかもしれませんよ。
(ちなみに松本隆さん作詞の「ポケットの秘密」は、この発想法を使って作られた作品であるということは有名な話ですね。)

○「きっかけ」その3

「数え歌」に「ABC 」、まだまたあります「作詞はじめの一歩」

「替え歌作詞法」や「あいうえお作詞法」があるのなら、「数え歌作詞法」や「ABC作詞法」も存在しますね。
1,2,3,4……あるいはABCD……と最初の言葉を並べ、そこから作詞していこうというわけです。

そこから、さらに発想を広げていきますよ。
たとえば「春・夏・秋・冬」ではどうでしょう。
春・サクラの下 君と出逢って ……
なんて、書き出しからドラマが生まれるかもしれませんよ。

「春・夏・秋・冬」まで飛躍させたのでしたら、「朝・昼・夜」も当然アリですね。

●いきなり「恋はフェニックス」

フランク・シナトラ グレン・キャンベル ジミー・ウェッブ

ここで、いきなりですが……この回の最後に……フランク・シナトラをはじめ多くの歌手が歌い世界中で大ヒットした「恋はフェニックス」というスタンダードナンバーを紹介しておきます。

「恋はフェニックス」と言っても、恋が不死鳥のごとくよみがえる~といったような内容の歌ではありませんよ。
むしろ、その逆。
別れの歌。
「フェニックス」はアメリカ、アリゾナ州にある地名です。

恋はフェニックス

僕がフェニックスに着くころには
アイツも目をさますだろう
そして部屋のドアにつるした走り書きに気がつくはずだ
「俺は家を出る」と書いてあるのを見て
アイツは吹き出すにちがいない
だって俺は今まで何度も別れを口にしてきたから

俺がアルバカーキーに着くころには
アイツは仕事をしているはずだ
たぶん昼時には俺がいるかもと家に電話をするだろう
だけど電話には誰も出ない
ベルが鳴り続けるだけ
アイツはただそれを確かめるだけさ

俺がオクラホマに着くころには
アイツは眠っているだろう
ゆっくりと寝返りをうっては
俺の名前を呼ぶだろう
やがて俺が本当に愛していたと知って
本当に去ってしまったんだと知って
アイツはきっと泣くだろう

でも遅い
何度も何度も俺はアイツに伝えようとしたのさ
でもアイツはいつも本気にしなかった
今度だけは本気
俺は本気で別れようとしていたのさ

「朝・昼・夜」という時間の経過と共に、みごとに歌詞のドラマが展開していきます。
「あいうえお作詞」からはじまり、「春・夏・秋・冬」、そして「朝・昼・夜」と単純に発想を展開してきましたが、たったそれだけのことでも、そこから丁寧にドラマを練り上げていけば、この歌のように世界中の人たちに愛され続ける名曲が誕生することもあるという、最高の例がここにあります。
皆さんも、「作詞はじめの一歩」と思って気楽に作った鼻歌が、実は後々とてつもない名曲へと……なんてことがあるかもしれませんよ。
まあ、それはさておき、あまり構えず、肩の力をぬいて……海は広いな 大きいな ……そこからはじめても全然大丈夫、それが作詞の世界です。

ちなみに、この歌の展開方法(1番から2番・3番への展開方法のこと)は、作詞の展開方法としては最も多い「時間の経過による展開方法」とよばれているもので、「世界にひとつだけの花」など、この展開方法を使って書かれた歌は数多くあります。
そして「恋はフェニックス」を作ったのはジミー・ウェッブというアメリカのソング・ライター。
「ビートでジャンプ(Up Up and Away)」「ウイチタ・ラインマン」など数々の名曲を世に送り出し、グラミー賞に何回も輝いている音楽界の巨人。
チェックしてみるだけでも歌詞作りの参考になりそうですね。

こちらの記事、皆さんのご参考になりましたでしょうか。

本記事でもご紹介した、作詞本の著者遠藤 幸三先生が講師をしてくれます。

体験レッスンも開催しているので、ぜひいちど作詞を体験してみてください。個人レッスンと、グループレッスンがあるので、お好きな方をお選びいただけます。

初心者歓迎!楽しく作詞をはじめてみませんか?

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