カノン進行は、1つ覚えるだけで何曲も作れる定番のコードの並びです。コードの順番と、メロディの乗せ方を手順でまとめました。
カノン進行とは、ハ長調なら「C – G – Am – Em – F – C – F – G」と進む8つのコードの並びです。流れが自然で、どのメロディを乗せてもまとまりやすいので、作曲を始めたばかりの方にいちばんおすすめの土台です。この記事では、コードの仕組み、メロディの作り方、自分らしくするための変え方まで順に進めます。
カノン進行のコードを知る
カノン進行は、ルート(根音)が1小節ごとに階段のように下がっていく動きが特徴です。ハ長調で書くと次のようになります。
| 小節 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コード(ハ長調) | C | G | Am | Em | F | C | F | G |
| 度数 | I | V | VIm | IIIm | IV | I | IV | V |
度数で覚えておくと、どのキーにも移せます。たとえばト長調なら、Iが「ソ」の音(G)になるので「G – D – Em – Bm – C – G – C – D」です。ギターのカポを動かすだけでも、歌いやすい高さに合わせられます。
4ステップで1曲の骨組みを作る
ステップ1 歌いやすいキーを選ぶ
最初に、自分の声で楽に歌える高さに合わせてキーを決めます。サビの一番高い音が苦しいと感じたら、キーを下げます。コード進行は度数で決まっているので、キーを変えても曲の雰囲気は変わりません。
ステップ2 コードをループさせて聴く
8つのコードを繰り返し弾くか、打ち込みソフトでループ再生します。ゆっくりしたテンポで流しっぱなしにして、鼻歌を重ねていくと、自然に歌いたい音が見つかります。
ステップ3 コードの上の音から鼻歌で拾う
最初は、各小節のコードに含まれる音(Cならド・ミ・ソ)を中心に歌うと、外れにくくなります。1小節に1〜2個の長い音を置き、あいだを短い音でつなぐと、メロディの形ができます。
ステップ4 録音して、気に入った部分を残す
スマホのボイスメモで、気軽に何度も録ります。録音を聴き返して、気に入った2小節をAメロかサビの核にします。残りは捨てても構いません。
メロディの乗せ方3パターン
同じカノン進行でも、メロディの置き方で曲の印象は大きく変わります。
| パターン | メロディの動き | 曲の印象 |
|---|---|---|
| ゆっくり下がる | 1小節に1音、コードのルートに寄り添って下る | 切ない、しっとり、卒業ソング向き |
| 跳ねて上がる | 短い音を細かく重ね、小節の終わりで高い音へ | 明るい、前向き、応援ソング向き |
| 同じ音をくり返す | コードが変わっても音の高さを保つ | 語りかけるような、しっとりした弾き語り向き |
1曲の中でパターンを使い分けるのも効果的です。Aメロはくり返し型でそっと始め、サビで跳ねて上がる型に切り替えると、聴き手に「サビが来た」という高揚感を届けられます。
自分らしくなる4つの変え方
定番の進行だからこそ、少し変えるだけで個性が出ます。難しい理論は不要で、次の4つから1つ選んで試してみてください。
- 最後のGをG7に変える:次のCへ戻る力が強まり、終わりがはっきりする
- CをCmaj7に変える:やわらかく、おしゃれな響きになる
- AmをAm7に変える:切なさに奥行きが出る
- 4小節目のEmをE7に変える:少しドラマチックな引っかかりが生まれる
1つずつ足しては聴き比べ、気に入ったものだけを採用します。足しすぎると元の自然さが薄れるので、最初は1曲につき1か所までがおすすめです。
Aメロ・Bメロ・サビへの使い方
8小節のカノン進行は、そのまま1つのパートになります。曲の組み立て方も、いくつか型があります。
- Aメロ、サビの両方でカノン進行を使う:まとまりが強く、覚えやすい曲になる
- Aメロだけカノン進行、サビは別の進行にする:サビで気分が切り替わる
- 前半4小節だけを使い、後半を自由に作る:個性が出て、定番感も残る
迷ったときは1の型で1番を完成させるのが近道です。1曲を最後まで作る経験が、次の曲づくりの大きな支えになります。
キー別のコード早見表
歌いやすい高さを探すときに、8つのコードをキーごとに並べた表が役に立ちます。度数の並びは同じなので、1つ覚えれば全部のキーに対応できます。
| キー | I | V | VIm | IIIm | IV |
|---|---|---|---|---|---|
| C(ハ長調) | C | G | Am | Em | F |
| G(ト長調) | G | D | Em | Bm | C |
| D(ニ長調) | D | A | Bm | F#m | G |
| F(ヘ長調) | F | C | Dm | Am | B♭ |
1番高い音が出にくいときは、Cから始めて一段ずつ下げ、サビで無理なく声が届くキーを見つけます。逆に、低い音が聞こえにくいときは、キーを上げます。
弾き語りの伴奏パターンを3つ試す
同じコードでも、伴奏の弾き方で曲の表情は変わります。キーボードでもギターでも使える3つの型です。
| パターン | 弾き方 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ブロック | 1小節に1回、コードを全部の音で鳴らす | 歌をしっかり聴かせたいAメロ |
| アルペジオ | コードの音を1つずつ順に弾く | しっとりしたバラード |
| 8ビート刻み | 1拍に2回ずつ、リズムを刻む | 勢いのあるサビ、応援ソング |
Aメロはブロック、サビは8ビート刻みのように切り替えると、同じ8小節でも景色が変わります。アレンジの第一歩として、まず3つを同じコードで弾き比べてみましょう。
10分でできる練習メニュー
- 最初の3分:好きなキーでコード8つを通して弾く(打ち込みでも可)
- 次の3分:ループ再生しながら、「ラララ」でメロディを歌い、気に入った音を探す
- 次の2分:ボイスメモに録音し、聴き返して良かった2小節に印をつける
- 最後の2分:その2小節に、ひと言だけ仮の歌詞をのせる
これを3日続けると、メロディの断片が3つ貯まります。断片を組み合わせれば、Aメロとサビの原型が出来上がります。
断片が貯まったら、「どの断片が最初に耳に残るか」を基準に並べます。いちばん耳に残る断片をサビに置き、そこへ向かって少しずつ音が上がるように他の断片をAメロへ並べると、曲全体に一本の流れが通ります。1曲を完成させるまでの道のりを、断片の組み立てとして進められるので、白紙から始めるより気持ちが軽くなります。
つまずきやすい点と直し方
| つまずき | 直し方 |
|---|---|
| どこかで聴いたような曲になる | リズムを変える、メロディの出だしの音を変える、コードを1か所だけ変える |
| メロディが単調に聞こえる | 小節ごとに音の長さを変え、長い音と短い音を混ぜる |
| 歌詞がはまらない | 先に歌詞を書いて、言葉の数に合わせてメロディを調整する |
| 8小節が長く感じる | テンポを少し上げる、または4小節ごとにメロディの高さを変える |
カノン進行は、メロディが同じでも、歌詞とアレンジを変えると別の曲に聞こえます。まず自分の鼻歌を信じて、1曲を形にしてみましょう。完成度は後から磨けるので、最初は8小節を最後まで歌い切ることを目標にすると、達成感が次の1曲への力になります。
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よくある質問
カノン進行とは何ですか?
ハ長調ならC – G – Am – Em – F – C – F – Gと進む、8つのコードの並びです。ルートが階段のように下がる流れが自然で、作曲の土台として広く使われます。
カノン進行は楽器が弾けなくても作曲に使えますか?
使えます。打ち込みソフトにコードを入力してループ再生し、鼻歌を重ねてメロディを探す方法があります。
カノン進行で作った曲は、他の曲と似てしまいませんか?
コードが同じでも、メロディ・リズム・歌詞が違えば別の曲になります。コードを1か所変える方法も効果的です。

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