子どもとの歌づくりは、言葉遊びから始めるとうまくいきます。5つの手順と、年齢別の進め方、続けるコツをまとめました。
子どもと一緒に歌を作るときは、まず子どもが好きなものや今日の出来事から言葉を集め、短いかけ声やくり返しを軸にして、メロディは鼻歌で作るのがいちばんうまくいきます。上手な歌詞や正しい音程を目指す必要はありません。子どもの言葉を大人が拾って形にし、一緒に歌うこと自体が、いちばん大切な思い出になります。この記事では、歌づくりの五つの手順、年齢別の進め方、録音して残す方法、続けるコツを順にご紹介します。
子どもと歌を作る前に知っておきたい考え方
子どもとの歌づくりでは、大人が主役にならないことが大切です。大人が歌詞とメロディをすべて決めてしまうと、子どもは聴くだけになってしまいます。反対に、子どもの言葉をそのまま並べるだけでは、歌の形になりにくいこともあります。目安は「言葉は子どもから、形を整えるのは大人」です。
また、完成を急がないことも大切です。一回の時間は短くて構いません。子どもが飽きたら、そこで止めます。次の日にまた続きをする、という気楽さが、歌づくりを長く楽しめる秘訣です。
歌を作る五つの手順
手順1:好きなものを言葉にする
最初に、子どもの好きなものを聞いて、紙に書きます。食べ物、動物、乗り物、友だちの名前、今日あった出来事など、何でも構いません。「今日いちばん楽しかったことは?」と聞くと、答えが出やすくなります。出てきた言葉は、そのまま書き留めます。
手順2:かけ声やくり返しを決める
子どもの歌は、短いくり返しの言葉があると、すぐに覚えて歌えるようになります。「ぴょんぴょん」「らんらん」「わっしょい」など、音の面白い言葉を選び、歌の中に何度も出てくるようにします。くり返しの言葉が、歌の柱になります。
手順3:言葉を並べて一番を作る
集めた言葉を、短い文に並べます。たとえば「すきなもの」と「かけ声」を組み合わせて、一行を作ります。一番は四行ほどで十分です。子どもが言った言葉は、なるべく変えずに残します。文のつながりが不自然なときは、大人が助詞(「を」「に」など)だけを足して整えます。
手順4:メロディを鼻歌で作る
歌詞を声に出して読みながら、自然に出てきた音の高さに乗せて、鼻歌にします。子どもと一緒に、「こんな感じ?」と何度か歌い、気に入った形を残します。難しければ、知っている童謡のメロディを借りて、歌詞を入れ替える遊びから始めても構いません。
手順5:みんなで歌って録音する
できあがった歌を、親子や家族で一緒に歌います。スマホのボイスメモで録音して、すぐ聞き返すと、子どもは自分の歌が形になったことを実感できます。録音は、完成度よりも、その日の記念になることを大切にします。
年齢に合わせた進め方
| 年齢の目安 | 進め方 | 大人の役目 |
|---|---|---|
| 幼児(言葉が増えてくる時期) | かけ声やくり返しの言葉を一緒に歌う | 子どもの声や言葉をそのまま拾い、メロディをつける |
| 小学校低学年 | 好きなものや出来事を文にして、一番を作る | 言葉をつなぎ、リズムが合うように少し整える |
| 小学校高学年 | 自分で歌詞を書き、メロディを考える | 相談相手になり、アイデアを引き出す |
年齢によって、自分で考えられる範囲が変わります。大人が手を出しすぎず、子どもが「自分で作った」と思える割合を残しておくことが大切です。
歌詞の組み立て例
手順3の具体的なイメージを、一般的な例でお見せします。子どもが「カレーが好き」「にんじんは苦手」「かけ声はぐつぐつ」と言ったとします。これをそのまま並べて、「カレーがすき にんじんはにがて ぐつぐつぐつぐつ おいしくなあれ」とするだけで、立派な一番になります。大人は、「ぐつぐつ」を二回くり返す、最後に「おいしくなあれ」を添える、という形を整えるだけです。子どもの言葉の面白さを残しながら、歌いやすい長さに収めるのがポイントです。
こうしてできた四行に、鼻歌で音を付けます。「カレーがすき」は明るく上がる音、「ぐつぐつ」は同じ音をくり返す、というように、言葉の雰囲気に合わせると、自然なメロディになります。
つまずいたときの対応
- 言葉が出てこない:絵本や図鑑を見ながら、好きなページの言葉を探す。
- メロディが決まらない:歌詞を話し言葉で読み、声が上がるところ、下がるところに音を付ける。
- 子どもが飽きてしまう:そこで止め、翌日に続きをする。歌詞は紙に残しておく。
- 家族の意見が分かれる:どの案も一度歌ってみて、子どもが選ぶ形にする。
つまずいたときは、いったん歌づくりから離れて、好きな曲を一緒に歌うだけでも気分が切り替わります。歌づくりは、歌うことが好きになる体験の延長だと考えると、気持ちが軽くなります。
歌づくりを楽しくする遊びのアイデア
- 言葉しりとり:しりとりで出た言葉を並べて、不思議な歌詞を作る。
- 音まねを歌にする:電車、雨、動物の鳴き声など、身の回りの音を言葉にして歌に入れる。
- 家族の名前を入れる:歌詞に家族やペットの名前を入れると、子どもが喜んで歌う。
- 絵を描きながら歌う:歌詞に合わせた絵を描いて、絵本のような歌にする。
- 手拍子や楽器で伴奏する:おもちゃの楽器や、空き箱のたいこでリズムを加える。
どれも、歌詞やメロディを考えるきっかけになります。子どもが乗ってきた遊びを一つ選び、続けてみてください。
録音して残す・発表する
歌ができたら、録音して残すと、あとで聴き返す楽しみになります。録音のコツは、静かな部屋で、子どもの口から少し離してスマホを置くことです。完成した歌は、家族に披露したり、離れて暮らす祖父母に音声や動画で送ったりすると、子どもの自信につながります。誕生日や行事の日に歌うのもよい思い出になります。
大人の声や子どもの声をそのまま残すと、成長したときに聴き返して、その時期ならではの声に気づけます。歌のタイトルと日付を付けて保存しておくと、小さな歌集のように増えていきます。
続けるためのコツ
歌づくりは、続けるほど子どもの言葉と音の感覚が育ちます。特別な準備はいらず、日常の中の数分で取り組めるのが魅力です。次の四つを意識すると、無理なく続けられます。
- 一回の時間は短く、子どもが楽しいうちに終える。
- 子どもの言葉を否定せず、まず「いいね」と受け止める。
- 毎日でなくても、週に一回など、決まった時間に取り組む。
- できあがった歌を、日常で一緒に歌う。お風呂や移動中に歌うと、子どもが自然に覚えます。
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よくある質問
音楽の知識がなくても、子どもと歌を作れますか?
作れます。子どもの言葉を集めて、鼻歌でメロディをつければ、知識がなくても形になります。
子どもが歌いたがらないときはどうしたらよいですか?
無理に歌わせず、まず大人が楽しそうに歌ってみせるか、手拍子や楽器遊びから始めます。
歌詞が文章としておかしくても大丈夫ですか?
大丈夫です。子どもらしい言葉の面白さが歌の魅力になります。助詞を足す程度に整えるだけで十分です。

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