中田ヤスタカのコード作曲術のススメ。

Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅ等でお馴染みの中田ヤスタカ氏。
Auto Tuneという音声補正ソフトをポップスに持ち込んだ第一人者で、無機質でありながら心にくるサウンドで国内外からもファンの多い彼ですが、彼の作曲において注目したいのはコード進行にあります。
例えば「ファッションモンスター」や「インベーダー・インベーダー」等の展開がめまぐるしく変わる曲が多いですが、あんなにもポップでキャッチ―なメロディであるのにもかかわらずコードは他のポップスほど素直ではありません。
セクション毎にマイナー音一つのみで構成されるセクションにしたり、そうかと思えば突然王道的なコード進行に直したりとかなり挑戦的なアレンジを見てとる事ができます。
良い意味で僕らが「次はこう来るかな」という予想を外してくれているんですね。

また、中田ヤスタカの曲はセクションを展開させるときに大きな「フリ」があります。
それはセクションA自体が次のセクションBへ移るための布石であったり、大胆にセクションAの終わり2小節近くを使って次の展開を予想させたり様々です。
例えば人気曲「ファッションモンスター」の場合。
イントロはF→Fmというシンプルなコードで動かないおどろおどろしいアレンジで始まります。
キメと空白で次のセクションへの布石を作り、音圧と聞き馴染みのあるコードで作られたメインのイントロに入っていきます。
このメインのイントロが先ほどまでのおどろおどろしい雰囲気から逸脱してキャッチーなメロディラインで作られており、前のセクション自体が「大きなフリ」となって突然視界が広がるような感覚になるのです。

コードだけでなく、メロディやリズム、ビートをとぎれとぎれにしたり、歌詞をリフレインさせる事で抑揚を出したり消したりと、とにかく曲中にアイデアが散りばめられ聴いている人を飽きさせない工夫がされてるんですね。
ジャンルを問わず作曲をしている人は本当に参考にしてほしい作曲家、編曲家の一人です。

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