チャールズ・チャップリン。世界的に有名な喜劇俳優であり映画監督です。
彼の作品を観たことがなくても、その名前を耳にしたことのない人はほとんどいないでしょう。
そのチャップリン、実は作曲家としても優れた作品を多く残していることをご存知でしたか?
最も有名なのは、マイケル・ジャクソンや槇原敬之さんら多くのアーティストがカバーした「スマイル」という曲ですが、これも元々は映画「モダン・タイムス」のテーマとして使われていたものです。
映画界に入る前のチャップリンには、音楽家を目指していた時期があります。
ただ、正式な音楽教育を受けていなかったため、きちんとした音楽理論も身につけておらず、楽譜の読み書きもあまり出来なかったと言われています。
独学でバイオリンの練習はしていたものの、プロの演奏家として生計をたてるほどの腕はありませんでした。
そんなチャップリンは、どうやって作曲をしていたのでしょう?
答えは簡単、彼の作曲方法は「頭に浮かんだメロディを口ずさむ」というものだったのです。
具体的には、プロのピアニストを横にしたがえ、完成した映画のフィルムを観ながら、「このシーンにはこういうメロディを入れよう」と実際にラララで歌っていったそうです。
そのメロディをピアニストが追い、楽譜に起こし、アレンジを加え、オーケストラが演奏し、映画音楽として完成させました。
ただ、あくまでも作曲者はチャールズ・チャップリン、その人です。
楽器も使わず、譜面も書かず、思いついたメロディを自分の声で奏でる・・・とても簡単なことですが、実はこれこそが曲を作るという行為そのものなのです。
みなさんも道を歩いていたり、本を読んでいたりする時に、自分でも聞いたことのないようなメロディを口ずさんでいることはありませんか?
作曲ということを難しく考える必要は全くありません。
「作」という文字にとらわれる必要はないのです。頭の中にメロディが浮かんできたら、もうそれは作曲をしたということなのです。
ただ、ひとつ問題があります。
チャップリンには思いついたメロディを譜面にしたり、アレンジをしてくれるピアニストがいました。
幸運なことに友人にプロミュージシャンがいて、その人が手伝ってくれるという場合は、何の問題もないと思いますが、それが出来る方はあまり多くないでしょう。
メロディを作る(思いつく)ことは誰にでも出来ます。
特に高度な音楽教育を受けていなくても可能なことです。
ただ、せっかく思いついた素晴らしいメロディを色々な人に聞いてもらいたいという気持ちになっても、それが「ア・カペラ」でしか伝えられないのであれば、ひとつの「曲」として多くの人の耳に届くことはありません。
逆に言えば、そのメロディに最低限のアレンジを加え(コードを付けるだけでも全然OKです)、ギターやピアノで弾き語りをすれば、立派な「曲」として完成するのです。ただ、それにはコード理論の勉強なども多少必要になります。
独学でも可能かも知れませんが、かなり時間はかかりますし、途中で疑問が湧いてきてもなかなか解決できないことが多いようです。そう考えると、やはり音楽スクール、特に基礎から丁寧に教えてくれるところで学ぶのが、一番いい方法なのではないでしょうか。
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