目的も定めずただ闇雲に突き進んでも失敗をしてしまうように、作詞においてもテーマを決めて進めていかないと収拾がつかなくなってしまいます。
例えば、気になるフレーズをただ列挙したとしましょう。
メロディに合わせて何となく当てはめられたとしても、そこに感動できる要素は欠片も見当たりません。
もっと言えば、奇妙奇天烈なフレーズの羅列に終始してしまって嫌悪感だけが残る結果になってしまうことでしょう。
作詞をする理由は、自分の気持ちを表現したい、見る人を感動させたいという立派な目的があるはずです。
この目的に合致しない、単なる文字の羅列では作詞とは言えません。
それはただの言葉遊びです。
作詞とはもっと崇高なものであり、人間だけが持ち得る稀有な能力なのです。
それでは、具体的にどのようなテーマを定めるべきなのでしょうか。
それは個々人の感性に依ります。
例えば自分の怒りを表現したいのであれば、何に対して、どのような怒りを持っているのかを書き出してみましょう。
当然、怒りに任せて書き出した文章は詞としては成立していません。
ただ、材料は揃いました。こうなれば、後は文字数を合わせて表現をしていくだけで良くなります。
基本的なテーマは「怒り」ですから、序盤からサビに向けてどう自分自身の怒りを表現するのか、起承転結を交えながら書き起こしていけば良いのです。
ちなみに、日本人の耳に馴染みやすいのは俳句のような「5・7・5」であったり、短歌のような「5・7・5・7・7」であったりします。
もちろんこれに固執する必要はありませんが、できるだけ聞く人が効きやすいような文字数にしましょう。
もしもメロディが先に出来上がっているのであれば、そのメロディに合わせて文字を考えるという手法もあります。
その場合は曲が優先になりますので、曲の持つイメージを大切にしつつ作詞をするようにするのです。
もちろんその際にもテーマを決め、結局は何が言いたいの?と思われないよう、一本芯の通った作詞をするように心掛けてください。
どんなに曲が良くても、詞がダメでは全体が活きてきません。
強烈なフレーズを残すのも良いのですが、それよりも全体的なテーマを決め、最終的に何を訴えたいのかを決めていった方が作詞をしやすいですし、聞く側にとってみても耳に残るでしょう。
くれぐれも、単に言葉を繋ぎ合わせただけのようなお粗末な作詞だけはしないようにしてください。
何度も言いますが、作詞とはそれくらい崇高なものなのですから。
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